ピラティスのプライベートレッスンを行う際、効果的なセッションの構成は非常に重要です。
特に個々のニーズに応じたレッスンを提供するには、ピラティスの基本的な理論と動きをしっかりと学び、クライアントの体を深く理解していることが求められます。
この記事では、ピラティスのプライベートレッスンを50~60分で構成する際の「ABCD」モデルについて詳しく説明します。
このモデルを使うことで、効果的なレッスンを行う方法や、生徒の進歩をサポートするためのポイントを紹介します。
A: リフォーマーを使った動き

ピラティスセッションは通常、リフォーマーから始まります。
リフォーマーは、体を適切にサポートし、中心部から体を動かすのに最適な器具です。
この器具は、ジョセフ・ピラティスによって、足のワークや背骨のアライメントなど、体の不均衡をはっきりと明らかにするためにデザインされています。
リフォーマーでの動きを通して、インストラクターは生徒の体の状態を観察し、どこに問題があるのか、どのエリアを強化すべきかを判断します。
また、リフォーマーの使用は、初心者にとって、体の基本的な動かし方を学ぶのに適しています。
B: マットを使った動き

次にマットエクササイズです。
マット上での動きは、リフォーマーと同様に重要であり、生徒が自宅でセルフケアを行う際に役立ちます。
初心者の場合は、リフォーマーとマットの両方をバランスよく取り入れ、体の基礎をしっかりと築くことが推奨されます。
C: クライアントに合わせた個別のエクササイズ

ピラティスの真髄は「This is for you」という個別化されたエクササイズにあります。
インストラクターが生徒の体の状態を観察した後、特定の課題や弱点を補強するためのエクササイズを選びます。
この部分では、リフォーマーやマットの他に、キャデラック、チェア、スモールアパラタスなど、さまざまな器具を使用してエクササイズを行います。
この個別化されたエクササイズは、生徒が自身の体の進歩を感じる根拠になるものとなります。
ジョセフ・ピラティス自身も、この「This is for you」のアプローチを通じて生徒に特別な動きを提供していたと言われています。
D: 活力を与えるエンディング

セッションの最後には、生徒にエネルギーを与えるようなエクササイズを取り入れることで、レッスン全体をまとめます。
この部分では、キャデラックでのハンギングやスタンディングアームスプリング、またはリフォーマーでの伝統的なエンディングなどが代表的です。
生徒がセッションを終えて、日常生活に戻る際には、体が活性化され、心身共に爽快感を感じることができるように設計されています。
ABCDモデルの応用
「ABCD」モデルは非常に柔軟であり、個々の生徒のニーズやセッションの時間によって自由に調整できます。
例えば、リフォーマーでほとんどの時間を使う場合や、マットでの動きに集中する場合など、さまざまなパターンでセッションを構成することが可能です。
初心者には、リフォーマーで基礎を学び、その後マットエクササイズで自宅でも続けられる動きを教えることが効果的です。
一方、上級者には、リフォーマーに集中したセッションや、特定の課題にフォーカスした個別エクササイズを提供することが効果的です。
実際のセッション事例

■「Stomach Massage」の動きに苦労していたケース
Stomach Massageのエクササイズ中、背筋をまっすぐ維持することが難しく、リフォーマーでのフットワーク、ハイチェアでのスタンディングポンプなど、他のエクササイズにも影響を与えていました。
「This is for you」で特定のエクササイズを取り入れることで、徐々に改善が見られました。
長期的な変化と成長
ピラティスの進歩は、一夜にして訪れるものではありません。
時には数年にわたる努力の末に、ようやく成果が現れることもあります。
「ABCD」モデルを活用すると、生徒が自身の体と向き合い、長期的な成長を実感できるよう導くことが可能です。
まとめ
ピラティスのプライベートレッスンを構成する「ABCD」モデルは、生徒の個別のニーズに応じた効果的なレッスンを提供するための優れたガイドラインです。
リフォーマー、マット、特別なエクササイズ、そして活力を与えるエンディングを通じて、生徒の体と心を総合的にサポートします。
このモデルを活用すると、生徒の成長を促進し、彼らが目標に向かって進んでいることを実感させられる上に、教える側も自身のセッション構成に新たな視点を加えることができるでしょう。
生徒に合った効果的な指導の実践にぜひ、「ABCD」モデルを取り入れてみてください。