ハイブリッドな指導方法が定着する中、オンラインフィットネスクラスでも対面と同様のコミュニティ感をどう再現できるかは、多くのインストラクターにとっての課題です。
パンデミック以降、私たちの生活は大きく変わり、特にフィットネス業界では、オンラインと対面の両方を取り入れた指導が主流となりました。
そんな中で、クライアントはどこにいても、インストラクターや仲間とつながりたいと感じています。
では、オンラインでのフィットネスクラスでも、どのようにしてコミュニティを育てることができるのでしょうか?
オンラインフィットネスの急成長
2019年には、フィットネスユーザーのわずか7%がライブ配信のワークアウトを行っていました。
しかし、2020年のパンデミック以降、この数字は80%に急増しました。
ZoomやFacebook、Instagramなどを通じて、グループクラスやプライベートセッション、そしてビデオオンデマンド(VOD)を提供することで、多くのクライアントがフィットネスを続けることができました。
しかしオンラインクラスは、対面クラスのような、クラス前後の生徒同士やインストラクターとのカジュアルな交流が失われるため、コミュニティ感に欠けるという問題があります。
人は社会的な存在
全米メンタルヘルス協会(NAMI)によると、人間は社会的な存在であり、コミュニティに依存して所属感、サポート、目的意識を感じます。
例えば、退職して一人暮らしをしているピラティスクライアントや、新しいクライアントが仲間から得る肯定感は、彼らにとって非常に重要です。
また、毎朝コーヒーを持ってきてくれる親切なクライアントは、他者との関わりを通じて自分の存在意義を感じています。
オンラインクラスでは、こうした人々との交流をどう実現するかが鍵となります。
オンラインでコミュニティを育てるための3つの質問

次にオンラインでコミュニティを育てるために役立つポイントをご紹介します。
①クライアントはどのSNSプラットフォームを利用しているか?Facebook、Pinterest、Instagram、YouTube、ポッドキャスト、ブログなど、どのプラットフォームで交流しているのかを把握しましょう。
②ジムやスタジオの近隣にはどんなお店やサービスがあるか?オンラインでカフェやブティック、レストラン、アーティスト、書店などを紹介できるサービスがあるか検討しましょう。
③クライアントはピラティス以外でどんな趣味を持っているのか?ワイン愛好家、ハイカー、作家、ダンサー、Netflixファンなど、彼らの趣味をオンラインでどう取り入れるか考えましょう。
オンラインクラスでのコミュニティ形成方法
対面クラスのような感覚はオンラインでは得にくいですが、次のような工夫でオンラインでもコミュニティ感を促進することが可能です。
1. クラス前後の時間を活用する
Zoomのクラスに5〜10分早めにログインし、生徒たちが自由に会話できる時間を設けましょう。
また、クラス終了後にも時間を取って、参加者同士の交流を促進します。
2. チャット機能を活用する
Zoomのチャット機能を開放して、クラス中に生徒同士がコミュニケーションを取れるようにします。誕生日やクラスの節目(初めてのクラスや100回目のクラスなど)をお祝いするメッセージを送ったり、生徒同士が励まし合ったりする場を提供しましょう。
3. ブレイクアウトルームを活用する
Zoomのブレイクアウトルーム機能を使用して、小グループでの会話やアイスブレイク活動を行います。
生徒同士が親しくなる機会を提供することで、オンラインでも親近感を高めることができます。
地域のコミュニティとオンラインでのつながり
オンラインクラスでも地域とのつながりを感じられるように、以下の方法を試してみましょう。
1. バーチャルイベントの開催
地域の医師、ファイナンシャルプランナー、アーティスト、セラピスト、料理人などを招いて、オンラインで講義やイベントを開催します。
これにより、生徒たちが健康や趣味に関する知識を深めることができます。
2. 社交イベントの開催
オンラインゲームナイトやアートプロジェクト、ブッククラブを主催することで、生徒同士の交流を深める機会を作ります。
特に生徒の中に特技を持っている人がいれば、彼らにホストをお願いしても良いでしょう。
3. 外部のインストラクターによるクラス
普段提供していないヨガ、太極拳、バレエ、ボクシングなどのクラスを、ゲストインストラクターを招いてオンラインで開催。これにより、生徒たちに新しい刺激を提供できます。
4. スタジオのウェブサイトでの地域ビジネス紹介
スタジオのウェブサイトに地域の小規模ビジネスを紹介するページを作成します。例えば、クラフトショップ、ペットサービス、手作り食品や美容サービスの提供者をインタビューし、リンクを掲載することで、生徒たちが地域とのつながりを感じられる場を提供します。
オンラインコミュニティ構築のためのプラットフォーム
オンラインクラスを通じてコミュニティを構築するための他の手段として、次のようなプラットフォームがあります。
- プライベートFacebookグループの作成
- WhatsAppやGroupMeなどを使ったグループメッセージ機能の活用
これらを活用すると、クライアントたちがクラス以外でも気軽にコミュニケーションがとれる環境を作ることができます。

まとめ
オンラインフィットネスクラスでは、手を使わずに動きの指導を行う方法やコミュニケーション方法の工夫が求められます。
本記事でご紹介した取り組みを続けることは、オンラインクラスでもクライアントに強いコミュニティ感を提供できるでしょう。